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リノベーション減税の種類と申請手順

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Spacious attic room with natural light from skylights, featuring a brick pillar and a wooden ladder.
Photo by Max Vakhtbovych on Pexels

目次

  1. リノベーション減税とは何か
  2. 所得税控除の二つのルート
  3. 固定資産税の減額措置
  4. 申請はどのように進めるか
  5. 制度を活かすために確認しておくこと
  6. まとめ
A minimalist kitchen interior with sleek lighting and wooden flooring.
Photo by Francesco Ungaro on Pexels

リノベーション減税とは何か

住まいを改修する際、一定の要件を満たした工事に対しては、税負担を軽減する制度が複数用意されています。これらをまとめて「リノベーション減税」と呼ぶことがありますが、正確には所得税と固定資産税という異なる税目に対して、それぞれ別の仕組みが設けられています。

対象となる工事の主な種別は、耐震改修、省エネ改修、バリアフリー改修、そして一定規模以上の増改築です。これらは国土交通省が整理する「住宅リフォームに係る税制」の枠組みに沿っており、制度ごとに要件・控除率・上限額が異なります。どの制度が適用できるかは、工事内容と費用の組み合わせによって決まります。

弊社の施工事例では、断熱改修と耐震補強を同時に行ったケースで複数の制度を組み合わせ、実質的な税負担を大きく圧縮した例があります。制度を最大限に活かすには、設計段階から申請要件を意識した工事計画を立てることが重要です。

Interior of loft with brick wall with wires hanging on ceiling and tools for renovation  works
Photo by Skylar Kang on Pexels

所得税控除の二つのルート

所得税の控除には、住宅ローンを利用する「ローン型(住宅借入金等特別控除)」と、現金で工事費用を支払う「投資型(住宅特定改修特別税額控除)」の二つがあります。

ローン型:住宅借入金等特別控除

リノベーション工事のために住宅ローンを組んだ場合、年末時点のローン残高の一定割合が所得税から控除される仕組みです。控除期間は、新規取得住宅(2024年1月以降入居)では最長13年間、既存住宅の取得・改修では最長10年間とされています。※出典: 国税庁「住宅借入金等特別控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm(要確認)

控除率や上限額は入居年・住宅の省エネ性能・新築か既存かによって細かく異なります。弊社代表の経験では、既存マンションを省エネ基準適合にリノベーションした案件で、ローン型控除の適用可否が工事仕様の選択に直結するケースが増えています。

投資型:住宅特定改修特別税額控除

ローンを使わず自己資金で工事を行う場合でも、投資型控除を利用できます。工事費用の一定割合が所得税額から直接差し引かれる仕組みで、現行制度では工事費用が50万円超であることが適用の下限要件となっています。これを下回る工事は対象外です。※出典: 国土交通省「住宅リフォームに係る税制の概要」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000135.html(要確認)

控除率・上限は工事種別(耐震・省エネ・バリアフリーなど)によって異なり、複数の工事を組み合わせた場合は合算して計算します。確定申告時に「住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書」を添付することが必要です。

Laying pipes and wiring during repairs in kitchen room with white walls and big window
Photo by Ksenia Chernaya on Pexels

固定資産税の減額措置

所得税とは別に、固定資産税についても減額措置が設けられています。対象は耐震改修・省エネ改修・バリアフリー改修の三種で、工事完了翌年度分の固定資産税が一定割合減額されます。

減額割合は工事種別によって異なり、省エネ改修では税額の3分の1、耐震改修では2分の1、バリアフリー改修では3分の1が標準的な減額幅とされています。※出典: 総務省「固定資産税の特例措置」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/ichiran09_h.html(要確認)

弊社施工事例では、築40年超の木造戸建てで耐震改修を実施した際、固定資産税の2分の1減額と所得税の投資型控除を同時に適用し、初年度の実質負担を大幅に軽減した例があります。ただし、固定資産税の減額は恒久的なものではなく、適用期間は原則として1年度分に限られます。

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Photo by Francesco Ungaro on Pexels

申請はどのように進めるか

減税制度を受けるには、工事完了後に自ら申請手続きを行う必要があります。申請先と期限は制度によって異なるため、それぞれ確認しておくことが重要です。

所得税控除の申請(確定申告)

ローン型・投資型いずれも、工事完了後に確定申告を行います。初年度は確定申告書に加え、登記事項証明書・工事請負契約書・増改築等工事証明書・住民票などの書類を添付します。会社員の場合、ローン型控除は2年目以降を年末調整で処理できますが、投資型控除は毎年確定申告が必要です。

「増改築等工事証明書」は施工した建築士事務所または指定確認検査機関が発行するもので、弊社では工事完了時に必要書類一式をまとめてお渡しする体制を整えています。

固定資産税減額の申請(市区町村)

固定資産税の減額は、市区町村の税務担当窓口へ申告することで適用されます。申告期限は工事完了後3か月以内が多いとされていますが、自治体によっては6か月以内など異なる場合があります。必ず工事完了前に管轄の市区町村へ期限を確認することを推奨します。※出典: 総務省「固定資産税の特例措置」(前掲)

申告に必要な書類は、工事内容を証明する書類(増改築等工事証明書など)と固定資産税の申告書です。市区町村によって様式が異なるため、事前に窓口またはウェブサイトで確認してください。

Interior of loft with brick wall with wires hanging on ceiling and tools for renovation  works
Photo by Skylar Kang on Pexels

制度を活かすために確認しておくこと

減税制度には共通して、いくつかの前提要件があります。申請段階になって要件を満たしていないと判明するケースを防ぐために、設計・契約の段階で以下を確認しておくことが実務上の要点です。

  • 居住要件: 工事完了後、自ら居住する住宅であること。賃貸物件は対象外となる場合が多い。
  • 工事費用の下限: 投資型控除では50万円超、各制度で定める下限を下回ると適用外となる。
  • 工事種別の確認: 制度ごとに対象工事が限定されており、内装のみの改修は対象外となることが多い。
  • 証明書の発行依頼: 増改築等工事証明書は施工者側が手配するが、発行できる資格者(建築士等)が関与していることが前提となる。
  • 所得要件: 一部の制度では合計所得金額に上限が設けられている。

弊社代表の経験では、補助金との併用を検討するケースも増えています。減税と補助金は原則として重複申請が可能ですが、一部の補助金では税制との調整規定があるため、個別に確認することが必要です。

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Photo by Ksenia Chernaya on Pexels

まとめ

リノベーション減税は、所得税(ローン型・投資型)と固定資産税の減額という、性格の異なる制度が並立しています。それぞれ申請先・必要書類・期限が異なり、どれか一つを見落とすだけで受けられるはずの恩恵を逃すことになります。

実務的に重要なのは、工事の設計・契約段階から申請要件を意識することです。増改築等工事証明書の発行が可能な施工体制であるか、工事費用が各制度の下限を超えているか、対象工事種別に該当しているかを、着工前に確認しておくことが後の手続きをスムーズにします。

固定資産税の申告期限は市区町村によって異なります。工事完了後に慌てて調べるのではなく、施工前に管轄の窓口へ問い合わせておくことが、期限を逃さないための最も確実な方法です。

減税制度は毎年度の税制改正によって要件や控除率が変わることがあります。本記事の内容は執筆時点の情報を基にしており、最新の情報は国税庁・国土交通省・総務省の公式資料で確認することを推奨します。住まいの改修を計画する際には、税制の枠組みを設計の一部として捉え、長期的な視点で判断することが、資産としての住まいを育てることにつながります。

よくあるご質問

リノベーション減税は新築購入と中古購入のどちらでも使えますか。

所得税控除(ローン型・投資型)は既存住宅の改修に適用されるものが中心ですが、新築取得後に一定の改修工事を行う場合も対象となることがあります。固定資産税の減額措置は既存住宅への改修が前提です。いずれも工事種別・費用・居住要件を個別に確認する必要があります。

賃貸として貸し出している物件のリノベーションにも減税は適用されますか。

本記事で紹介した所得税控除(住宅借入金等特別控除・住宅特定改修特別税額控除)は、自ら居住する住宅が対象です。賃貸用物件は原則として対象外となります。賃貸経営に関連する税制は別途、不動産所得の経費計上等の枠組みで検討することになります。

ローン型控除と投資型控除を同時に使うことはできますか。

同一の工事に対して両制度を重複して適用することはできません。どちらか一方を選択する形になります。工事費用の規模・ローンの有無・所得状況によって有利な制度が異なるため、事前にシミュレーションすることが望ましいです。

確定申告に必要な書類はどこで入手できますか。

確定申告書や各種計算明細書は国税庁のウェブサイト(e-Tax)からダウンロードできます。増改築等工事証明書は施工した建築士事務所または指定確認検査機関が発行します。登記事項証明書は法務局で取得します。住民票は市区町村窓口またはコンビニ交付で対応可能です。

工事完了後に申請を忘れた場合、後から申請することはできますか。

所得税控除については、確定申告の期限(翌年3月15日)を過ぎた場合でも、5年以内であれば更正の請求によって申告が可能です。固定資産税の減額申告については、市区町村が定める期限を過ぎると原則として適用されません。期限を過ぎてしまった場合は早めに管轄窓口へ相談することを推奨します。

執筆: 橋本 純

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