ビスタがセレクトしているのは、Carl Hansen & Søn、Fritz Hansen、Fredericia、Herman Miller、Artek、Muuto、KARIMOKU CASE、Karimoku New Standard、moda en casa、SEMPRE、Louis Poulsen、FLOS、LE KLINT、Tom Dixon、Ambientec。デンマークの北欧家具、米国ミッドセンチュリー、フィンランドの曲げ木、日本のものづくり、そして心地よい光の照明。それぞれが違う背景を持ち、組み合わせることで、住まいの物語が静かに立ち上がります。
この記事では、各ブランドの来歴と代表作、そして暮らしへの迎え方を、ひとつずつ読み解きます。読み終えたとき、自分の住まいに何を据えるとよいか、その目安が立つことを願っています。
なぜ、組み合わせで選ぶのか
一社だけで住まいは仕立てられません。椅子はデンマーク、ソファは日本、照明もデンマーク、収納も日本。異なる系譜が一室に集まることで、暮らしに立体性が生まれます。間取りの均質さではなく、家具の系譜の多様さが、暮らしに奥行きを与えるのです。
長く使えるブランドを選ぶ、いくつかの目安
私たちが家具を選ぶとき、その背後にはいくつかの目安があります。長く生産が続いていること。正規の生産権、あるいは公式のライセンスのもとで作られていること。職人の手仕事が、いまも工程のどこかに残っていること。そして、修繕と部品供給の体制が整っていること。長く使う前提で家具を選ぶなら、最後の目安はとりわけ大切な意味を持ちます。
Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン アンド サン)
1908年、デンマーク・オーデンセに創業。1949年にハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)が設計したCH24、通称Yチェアの正規生産者として、世界に知られています。座面は今も職人がペーパーコードを一本ずつ手で編み上げ、一脚を仕上げるのに相応の時間をかけます。
北欧モダンの定番でありながら、暮らしに静かに寄り添う柔らかさを持つブランドです。Yチェアの選び方は、Yチェア(CH24)の選び方で詳しく取り上げています。ブランドの全体像はCarl Hansen & Søn のブランドページへ。
Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)
1872年創業の、デンマーク家具の名門。アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)が設計したエッグチェア、スワンチェア、そしてセブンチェア(Series 7)の正規生産者です。エッグチェアとスワンチェアは、1958年に開業したSASロイヤルホテル(コペンハーゲン)のために生まれました。やわらかな曲線が、空間に静かな表情を添えます。Fritz Hansen のブランドページへ。
Fredericia(フレデリシア)
1911年創業のデンマークの家具ブランド。ボーエ・モーエンセン(Børge Mogensen)のスパニッシュチェアをはじめ、暮らしに寄り添う実直な北欧家具で知られます。現代のデザイナーとの協働も重ね、時代に流されない使いやすさを大切にしているブランドです。Fredericia のブランドページへ。
Herman Miller(ハーマンミラー)
1923年、米国ミシガン州ジーランドに創業。チャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames)、ジョージ・ネルソン(George Nelson)、エーロ・サーリネン(Eero Saarinen)の家具を擁する、米国ミッドセンチュリーの代名詞です。1956年に発表されたイームズ・ラウンジチェア&オットマンは、成型合板と革を組み合わせた、書斎の風景を変える一脚として知られています。Herman Miller のブランドページへ。
Artek(アルテック)
1935年、建築家アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)らによってフィンランドで設立されました。社名は「Art(芸術)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語です。曲げ木技法から生まれたStool 60や、療養所のために設計されたパイミオ チェアが代表作。無垢のバーチ材が、北欧の家にも日本の家にもなじみます。Artek のブランドページへ。
Muuto(ムート)
2006年、デンマーク・コペンハーゲンに生まれた現代の北欧ブランド。「New Nordic」を掲げ、北欧デザインの伝統を今の暮らしに更新しています。親しみやすい色使いと、日常になじむ形。手に取りやすい価格帯も魅力で、暮らしに気負いなく取り入れられます。Muuto のブランドページへ。
KARIMOKU CASE(カリモクケース)
カリモク家具のプレミアムラインとして、ノーム・アーキテクツ(Norm Architects)や芦沢啓治(Keiji Ashizawa)といった建築家との協働から生まれるコレクションです。実際の建築プロジェクトのために設計された家具を、国内で製造しています。木と人の手のあいだにある長い時間を、静かに継いでいるブランドです。KARIMOKU CASE のブランドページへ。
Karimoku New Standard(カリモク ニュースタンダード)
カリモクが立ち上げた、現代デザインのライン。国産の広葉樹を生かし、若手デザイナーとの協働から、暮らしやすく親しみのある家具を生み出しています。日本のものづくりの確かさを、今の感覚で楽しめるブランドです。Karimoku New Standard のブランドページへ。
moda en casa(モーダ・エン・カーサ)
日本発のインテリアブランド。上質でありながら暮らしやすい、オリジナルの家具を手がけています。日本の住まいの寸法や暮らし方に寄り添った設計で、無理なく心地よい空間をつくれるのが持ち味です。moda en casa のブランドページへ。
SEMPRE(センプレ)
暮らしを彩る家具や道具をセレクトする、日本発のライフスタイルブランド。上質で親しみやすいアイテムを揃え、日々の暮らしに小さな心地よさを添えてくれます。北欧や日本の椅子と組み合わせる、脇役の名品を見つけやすいブランドです。SEMPRE のブランドページへ。
Louis Poulsen(ルイスポールセン)
1874年創業、デンマーク照明の定番です。ポール・ヘニングセン(Poul Henningsen)が手がけたPHシリーズ — PH5やPH50、そしてSnowball — は、光源を直接見せず、やわらかな光だけを届ける設計思想で知られます。デンマーク王室御用達のブランドでもあります。Louis Poulsen のブランドページへ。
FLOS(フロス)
1962年、イタリアに創業した照明ブランド。アキッレ・カスティリオーニ(Achille Castiglioni)が1962年に設計したArco(アルコ)は、大理石の台座から弧を描くフロアランプとして、リビングの中央に立つ存在になりました。ジーノ・サルファッティ(Gino Sarfatti)の作品群も手がける、イタリア照明を代表するブランドです。FLOS のブランドページへ。
LE KLINT(レクリント)
1943年に正式に設立された、デンマーク王室御用達の照明ブランド。建築家カイ・クリント(Kaare Klint)の家族による手仕事に起源を持ちます。職人が一灯ずつ手で折るプリーツシェードは、紙が光をやわらかく拡散させる「光の家具」です。LE KLINT のブランドページへ。
Tom Dixon(トム・ディクソン)
英国・ロンドンを拠点に、デザイナーのトム・ディクソン(Tom Dixon)が立ち上げたブランド。金属の質感を生かした照明や家具で、現代の英国デザインを代表する存在です。北欧や日本のブランドと並べたとき、現代のエッジを一点加える役割を担います。Tom Dixon のブランドページへ。
Ambientec(アンビエンテック)
日本発のポータブル照明ブランド。コードレスで持ち運べる充電式の照明を手がけ、食卓や窓辺、寝室へと、光をやさしく連れて歩けます。心地よい灯りが、暮らしの時間をそっと整えてくれます。Ambientec のブランドページへ。
三つの調べから、組み合わせを考える
これらのブランドは、三つのスタイルのなかで自然に組み合わさります。
- Japandi — Carl Hansen & Søn と KARIMOKU CASE を中心に、Artek の無垢材、LE KLINT や Louis Poulsen の光。オーク、リネン、薄墨の色調で、余白を活かします。
- Hôtelier — Fredericia のソファと Fritz Hansen の曲線を中心に、FLOS や LE KLINT の照明。大理石、真鍮、墨黒の色調で、上質なもてなしの設えを仕立てます。
- Midcentury — Herman Miller のイームズと Fredericia、Carl Hansen & Søn の椅子。チーク、キャメル、ブラスの色調で、ミッドセンチュリーの空気を一室に集めます。
三つの調べの選び方は、Japandi / Hôtelier / Midcentury — 三つのスタイルから、暮らしの調べを選ぶで詳しく解説しています。
ブランドを混ぜるときの作法
並べるだけでは、まとまりを欠きます。私たちが守っているのは、二つだけです。主役となる家具を二つ以上入れないこと。そして、木材の色味を一軸に揃えること — オーク中心か、チーク中心か、ウォルナット中心か。経年変化の足並みをそろえることも、長く使う家具では大切な視点です。
正規取扱店として、私たちが担うこと
並行輸入品と正規流通品の最大の違いは、保証と修繕、そして部品供給にあります。Yチェアのペーパーコードの張り替え、革の張り替え、シェードの交換。長く使う前提なら、これらの伴走が欠かせません。納期もブランドごとに異なるため、住まいの引渡しに合わせてスケジュールを設計します。
暮らしへの迎え方は、事例で
実際にビスタが仕立てた住まいは、コーディネート事例でご覧いただけます。ブランドの選び方を、より広い文脈で読むなら、暮らしを、誂える — Lifestyle Story という思想へ。
一脚の椅子から、家を考える。私たちは、お客様の暮らしと住まいから逆算して、ブランドの組み合わせを仕立てます。ご相談を承ります。取扱ブランドの資料を受け取ることもできます。